新選組になればよかった

 生まれてくる時代を間違えた
 新選組になりたかった
 歳さんたちと生きたかった
 詩人にさえなれないぼくは
 つねづね思っている
 どうせ生きるなら
 幕末がよかった
 ”誠”の旗などを掲げまして 
 竜馬なんぞもたたき斬り
 京の町を
 わがもの顔でのし歩く
 古き奴らとよばれつつ
 剣ひとすじに生きまして
 大義の二字に
 花と散りゆく……
 おお!新選組よ!
 ぼくの命が燃えたぎる 
 わが青春の果てなき夢あこがれ

 こんな話を君にしても
 十九の君は
 傾く夕陽を見つめたままで
 いつものことと笑うだけで
 何もこたえてはくれないね
 そんな君に逢えたから
 現代(いま)に生まれてよかったなどと
 不意に思ってみたりする
 それでも ぼくは
 新選組になりたかった
 歳さんたちと生きたかった